里音の励ましに、元気よく返事。
マイナス思考したって、幸せは訪れない。
どうせなら、前向きにがんばるほうがいいに決まってるわ。
「あ、ねぇ里音、そういえば琴葉ちゃんは?」
迷い込んだ者のことで頭がいっぱいで、すっかり忘れてた。
琴葉ちゃんには、悪いことしちゃったわよね?
今度会ったら、謝らなくちゃ。
「琴葉?あのコなら大丈夫。
すずを追いかけろって言った張本人だし」
「え?」
「【嫌な予感がするから、追いかけたほうがいい】って。
【私なら大丈夫だから】って」
……琴葉ちゃん。
ひょっとして、あたしのことを心配してくれたの?
都合のいい解釈かもしれないけど、少なくとも気を遣ってくれたのよね。
「でもまさか、本当に予感が当たるなんて驚いたよ。
愛琉が、一発ですずの居場所を突き止めたのも意外だったけど」
変わらず笑顔の里音に、あたしも笑顔で答えて。
「そうだったのね。
愛琉さん、見つけてくれてありがとう」
今度は、愛琉さんのほうを向いて告げるお礼。