言われた言葉を脳内でプラスに変換。
さっきまでの苛立ちは何処へ。
「ねぇ愛琉さん聞いて!
琴葉ちゃんと仲良くなれたの、人間界で初めての友達ができちゃった」
笑顔に表情を変えて、追いついた愛琉さんの隣に並ぶ。
頷くことも、こっちを見てくれることもないけど、それでもいい。
「友達ができるって、本当に素敵ね。
あたし、とっても幸せだもの」
ルンルン気分で勝手に喋り続けること数分。
時間帯が良かったのか、誰ともすれ違わずに洋館まで来れた。
一緒に帰りたいけど、もし誤解を生んでしまったらいけないわ。
今日だって同じ洋館に住んでるってだけで、女の子たちが大騒ぎしてたし。
「明日からは朝も一緒に学校行けるわね!
それから、里音と誠に恋千くんも」
2人じゃなければ、きっと大丈夫なはず。
せっかくだもん、みんなで登校とかしてみたい。
エシャルでは送り迎えがあったから、大勢で登下校なんてできなかった。
だから、今がすごく貴重に感じるの!


