xxxFORTUNE




いいえ、嘘です。

1人じゃ帰れません。

道が……わからない。


あたしとしたことが、朝持っていた地図をどこにしまったのか覚えてない。

そもそも見慣れない道で、しかも人間界で、道に迷わないほうが不思議だもの。



「何もたついてんだよ」

文句を言われても、今更謝るのはなんだか悔しいし。

だけど、このままじゃ帰れないし。


癖で頬を膨らましたまま、地面に目線を落とした。


別に、大丈夫だもん。

あたしは魔女で、小さな子どもじゃない。

帰り道くらい、テキトーに歩いておけばどうにでも……なるんだから。



歩き出した愛琉さんは、立ち止まったままのあたしを振り返って

「置いてくぞ」

素っ気なく言って、再び足を進める。



………あれ?


置いてくってことは、一緒に帰ってくれるつもりだったってこと?

そう……よね?



「待って!」