xxxFORTUNE




今日の予定では、同じクラスの愛琉さんと一緒に帰るはずだった。

なのに、当の本人は姿を消して見当たらない。


教室で待ってても、誰かと話せるわけじゃないし。

仕方ないから、先に帰っちゃおうとしたの。



そしたら……


「勝手に帰られて、万が一でも道に迷われたら困るんです」


面倒事を増やすなとでも言うように、容赦なく怒られてしまったわけで。



「…じゃあ、愛琉さんが来るまで待つわ」

最終的に、静かにそれだけ返事をした。


「ぜひ、そうしてください」

誠はふわりと微笑むと、数歩遠ざかって

「絶対に待っていてくださいね…絶対に」

忠告するように繰り返す言葉。



何度も言われなくたって、ちゃんとわかるもん!

ひょっとして、バカにしてる?


それより、数歩遠ざかるってつまり………。



「あたしを置いて先に帰っちゃうなら、愛琉さんの代わりに一緒に帰ってよーっ!」