xxxFORTUNE




ほっとしたように微笑みかけられれば、心がふんわり優しくなれる。

里音みたいな人が、お兄様だったらいいのになぁ。



「楼那さん、食べるの決まった?」

会話に夢中になっていると、ふと琴葉ちゃんが近寄ってきて。


「あっ、ごめんなさい!
すぐ決めるわ」

はっと我に返って、メニュー表の前で百面相。



「はじめまして、栗宮琴葉です」

「どうも、小鳥遊里音です」


その間、隣では2人の自己紹介が始まる。



やっとで選べた料理をもらいに、お盆を手に並んだ列。

知らぬ間に笑い合って話す2人に、取り残された気がして少し寂しいと思った。


本当に、少しだけ…だけど。









登校日初日、放課後。


「まったく、どうして待っていられないんですか」

「だ.だって、待ってたわよ。
待ってたのに、愛琉さんが来ないから」

「だからって、1人で帰ろうとしないでください」


校門を出たところで、誠に捕まりお説教タイム。