長い廊下を抜け、別の校舎へ。


学生がいっぱいの食堂で、ランチメニューを見て思わずよだれが。

なにを食べるか迷っちゃう!

全部食べたい!



これは、はしゃがずにはいられない。



「琴葉ちゃん、どうしよう決められないわ!」

ハイテンションで語りかけるあたしに、向けられたのは優しい笑顔。


「ゆっくり決めればいいじゃん。
私、待っててあげる」


第一印象は怖いって思ったけど、琴葉ちゃんって本当はすごくいい人みたい。

うろちょろするあたしを、文句も言わずに見守ってくれて。



「すず、はしゃぎすぎて転ぶなよ」

「わかってるわ……って、」


メニューを確認しながら迷いに迷っている最中、背後から届く注意。

ノリで返しちゃったけど、明らかに琴葉ちゃんの声じゃない。


慌てて振り向くと、おぼんを片手に里音がこちらを見下ろしていた。



「里音、なんでここに!?」

唐突な出会いに、驚きが隠せない。


「ははっ、俺だってお腹は空くよ」