それからしばらくして、お昼休みがやって来た。


この学校では学食があるらしい。

お弁当がいらないって、すごく便利ね。


ちなみに午前中の授業は理解できるはずもなく、ひたすら教科書と睨めっこ。

魔法の勉強は実技が多いけれど、人間界では知識的なものばかりなのね。




「楼那さん、一緒にごはん食べない?」

お昼休み、最初に声をかけてきたのは意外にも琴葉ちゃん。


「え.えぇ、そうしましょ」

意外すぎて、少しだけ焦っちゃう。


早く人間界の勉強に慣れようと、未だに開いていた教科書を急いでしまう。



「食堂ってどこかな。
楼那さん、知ってる?」

「ごめんなさい、わからないかも」


返答を聞くと、困ったように肩をすくめる琴葉ちゃん。

すぐに、近くにいる男の子に何かを話しかけていた。



「案内してくれるって。
行こう」

「はへっ」


ぼーっとしていたあたしの手を引いて、案内役の男の子を追いかける。

ひょっとして琴葉ちゃんって、すごく行動派?