「え、じゃあ、もしかして楼那さんってあの5人組と住んでるの!?」
また別の女の子が話題に食いつく。
「それって、同居ってこと?
いいなぁ、羨ましい!」
「今度遊びに行ってもいい?
というか、紹介してイケメン」
返事をする時間すらくれない。
ペラペラと次々話す女の子たちに、どう対応しようか困惑してしまう。
とりあえず、なんでか知らないけど洋館に住んでるみんなは人気があるらしくって。
洋館に住めるのは、特別な人だけらしい。
だとしたら……アヴァルア校長先生は、なぜあたしを洋館に住まわせたのかしら?
いくらエシャルの姫と言ったって、人間界では普通の身分なのに。
延々と続きそうな女の子たちの話に愛想笑いを浮かべ、誰かに助けを求めたい気分。
周囲を見渡せば、人だかりの隙間から愛琉さんが見えた。
もちろん、数人の女の子に囲まれて。
でも相手をせず、無視を貫き通してる。
琴葉ちゃんの周りには、男の子たちが輪を作る。
そうよね、美人さんだもの。
男の子たちに人気が出るのも頷けるわ。


