残念だけど、と笑ってすぐに回れ右。

本当に案内してくれただけみたい。

てっきりもっと意地悪されるかと思ったのに、優しいのね。



背中を向けたまま揺れた手のひらを見つめていると、突然背後のドアが開いた。









「さぁ、入って」

とある校舎の、とある教室の扉の前。


先程職員室のドアから出てきた先生は、あたしの担任で。

きびきびした感じの女の先生だった。



と同時に、一緒に現れたのは見知らぬ女の子。

真っ黒いサラサラロングなツインテール。

しかもスタイル抜群!


戸惑うあたしに、そのコは一言。


「私、栗宮琴葉。
転校してきたの、よろしく」


流れに任され握手したはいいものの、同じクラスだったらしい。

なんとなく、人を寄せ付けないオーラが出ていて怖い。


ううん、そんなこと思ったらいけないわ!

人間界での初めての女友達じゃない。