残念だけど、と笑ってすぐに回れ右。
本当に案内してくれただけみたい。
てっきりもっと意地悪されるかと思ったのに、優しいのね。
背中を向けたまま揺れた手のひらを見つめていると、突然背後のドアが開いた。
◇
「さぁ、入って」
とある校舎の、とある教室の扉の前。
先程職員室のドアから出てきた先生は、あたしの担任で。
きびきびした感じの女の先生だった。
と同時に、一緒に現れたのは見知らぬ女の子。
真っ黒いサラサラロングなツインテール。
しかもスタイル抜群!
戸惑うあたしに、そのコは一言。
「私、栗宮琴葉。
転校してきたの、よろしく」
流れに任され握手したはいいものの、同じクラスだったらしい。
なんとなく、人を寄せ付けないオーラが出ていて怖い。
ううん、そんなこと思ったらいけないわ!
人間界での初めての女友達じゃない。


