「に.人間はっ!?
ももももも.もうっ、い.いなくなった!?」
人間不信による登校拒否、の結果が留年。
イコール、あたしたちと同学年。
「大丈夫、もういないわ」
「本当に本当に本当に本当!?」
「えぇ、本当よ」
物陰からのそのそと出て来ると、あたしの腕にしがみつく。
学級委員の人たちが、相当怖かったのね。
掴まれた腕から震えてるのが伝わってくるもの。
「あのさホタル、すずはあんただけの魔女じゃないんだけど。
俺が最初に狙ったのに横取りしないでくれる」
声を低くして恋千くんが、佐久間さんを引き離そうとする。
可愛い顔して、すごく横暴なのね恋千くんって。
「ヤダよ、ぼ.ぼくが安心できるのは…ヒメだけなんだっ」
「ふぅん、じゃあ一生安心しなくていいよ」
なんだかよくわからないけど、すごくすごくすごく怖いってことだけわかるわ!
なにがって、恋千くんが!
「ひぃぃぃっ、カミサマ怖いよぉっ」
ほら、佐久間さんが怯えきっているわ。
あ、ちなみに“カミサマ”っていうのは恋千くんのこと。
苗字を“神”って書くからそれで。


