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「来週からよろしくね、すずちゃん」
全員が揃ったリビングでふかふかのソファーに座って、目の前の女の子は笑顔を見せる。
「楼那さん、俺らと同じクラスだから」
その隣で、元気そうな男の子も笑顔。
2人は、人間界にある学校の生徒らしい。
その中でも特に、クラスをまとめる学級委員なんだとか。
で、クラスって?
人間界にある学校って?
「じゃあ、また学校で会おうね。
これ、一応クラスの名簿。
困ったことがあったら、何でも相談してね」
そう言って、一枚の紙切れを置くと立ち上がる女の子。
名簿……って、どういうこと?
「じゃあ、またな!」
男の子も、片手を挙げて挨拶をする。
状況が読み込めないまま時間は過ぎて、学級委員の2人が帰宅したところで解説が。
「学校に行けば“幸せ”の手がかりが増えるんじゃない?」
里音の気遣いで行われていた、人間界の学校への転入手続き。
「よりによって同じクラスかよ」
愛琉さんが、名簿を手に取ってため息をついた。


