xxxFORTUNE




「ぬいぐるみなんかより、人のぬくもりがいい」

耳元で聞こえる声。

髪を優しく撫でられる。


「先輩、毎晩俺の隣で眠ってよ」


溶かされてしまいそうなほど、感じるのは甘い吐息。


「そしたら、ぐっすり眠れると思うから。
ダメ?」


問いかけに、ただ生まれる戸惑い。

これは、なに?

人間界では、こんなに密着するのが普通なのかしら?



「なんなら、一緒に眠るついでに可愛がってあげてもいいけど?」


わずかにできた隙間。

至近距離でぶつかる視線。

今にも触れそうな唇………



「はっ、ちょっと!」

そこでようやく意識をはっきり取り戻した。


危ないわ、今とてもおかしな雰囲気だった。


ほっとしたのも束の間、思わず突き飛ばしちゃって恋千くんが不機嫌そうな顔になる。



「あ.あの、ごめんなさい。
だけど、一応あたしのが年上なんだし少しくらい遠慮してくれても───」