xxxFORTUNE




寝っ転がったまま、伸ばしてくる手。

よくわからずに手を重ねようとすると、おもむろに手首を掴んで引っ張られた。


「きゃっ」


成り行きで、恋千くんの上に乗っかるあたし。


「えっ、なに、どうしたの!?」

びっくりして尋ねれば、口角をあげて答えられる。


「だから、相手してって言ったじゃん」

「相手って、なんの?」

「んー‥、何がいい?」


な.何がいい!?

じゃあ逆に聞くけど、何があるの?



「例えば?」

恐る恐る答えを促すように、言葉を選ぶ。


「例えばー‥そうだな、添い寝とか」


……はい?

一瞬、自分の耳を疑ってしまったわ。



「もしかして、恋千くんって独りじゃ眠れないくらい寂しがり屋なの?」

「は?」

「そういう時は、ぬいぐるみを抱いて眠るのが一番よ!」



口を開きっぱなしにして、あたしを見上げる。

引き寄せる力が弱まったから、すぐに恋千くんの上を退いた。