誠、里音、佐久間さん、恋千くん、琴葉ちゃんに、それから愛琉さん。
順々に顔を見合わせると、みんなが笑いかけてくれる。
「ただし、これからまた勉強することが増えると思うけど、それでもいいのかしら?」
挑戦的な眼差しに、力強く頷いて。
ここでようやく、アヴァルア校長先生は優しさを含む笑みを浮かべた。
「やったね、ヒメー!」
佐久間さんに抱きしめられたのをきっかけに、みんなから良かったと声がかかる。
歓喜の声が響く中、再びアヴァルア校長先生は両手を叩いた。
「ベル、今日はあなたがエシャルに戻る歓迎会が催されるの。
悪いけど、勉強期間も入れて数ヶ月間はエシャルにいてちょうだいな」
数ヶ月間。
その間は人間界には来れないけど、全然構わない。
その勉強を乗り越えれば、またみんなと会えるのよね?
それなら、どんなことだってきっとがんばれるわ。
エシャルのお姫様となる覚悟を胸に、首を縦に振ると光を増す異世界への扉。
「また、きっと会いに来るから!」
アヴァルア校長先生と琴葉ちゃんに導かれて、扉の向こう側に足を踏み出した───‥


