ずっと決めていたの。
この日が来たら、人間界にいたいって訴えること。
ずっとじゃなくたっていい。
時々、大好きなこの家に帰ってきたいだけ。
「お願いします」
願いを込めて、頭を下げた。
「僕からも、お願いします」
それから、すぐ横で落ち着いた声。
「誠………」
顔を少しだけあげて彼を見ると、微笑んでくれる。
「勘違いしないでください。
これは恩を返しただけです、僕の両親を説得しようとしてくれた」
ありがとう。
その言葉の代わりに、あたしも微笑み返す。
「オレからも、お願いします」
「ぼぼぼぼぼぼ.ぼくからもっ!」
続いて、里音も佐久間さんも頭を下げてくれた。
「すずがいなくなったら、俺死んじゃうかもー。
あ、独り言です」
恋千くんは、拗ねたように言ってからアヴァルア校長先生を見る。
「私からもお願い。
姫様は、人間界に来てもいい方だよ」
「琴葉ちゃん」
みんな、ありがとう。


