提案に、動かし出した手がまたもや停止。
それって、つまりこういうことよね?
「人間界で魔法を使えって、言ってるの?」
「はい、その通りです」
で.でもっ、人間界で魔法は禁止なのよね?
だったら禁止事項を破ることは、課外授業で反則してるってことになる。
いわゆる、カンニング行為。
「気にすることないでしょう?」
首を捻って考えるあたしに、さらっと加えられる説明。
「あなたの存在が、魔女だとか姫だとかバレた時点で強制送還されていない」
「はあ……と言いますのも?」
「魔法学校とやらの先生には事実が伝わっていない。
そう考えるのが妥当だとは思いませんか?」
……なるほど。
バレてないのなら、使っちゃえって考えなのね。
「でもそれ、先生が様子を見に来た時、みんな黙っていてくれる?」
正直な話、魔法が少しでも使えるのなら使いたい。
むしろ、魔法の勉強や練習もしたい。
だけど、みんなは本当にあたしの秘密を黙っていてくれるの?


