xxxFORTUNE




誠の家を出て歩く歩道は、なんだか新鮮な感じ。

このメンバーで外出してるなんて、初めてかもしれない。



「あははっ、恋千はわかってないな。
愛琉は本当はいいヤツだよ」

里音が笑いながら話して


「本当はってなんだよ。
ケンカ売ってんのか?」

愛琉さんが文句を言って


「ふうん、俺には愛琉なんて残虐な支配者にしか見えないよ」

恋千くんがそれに答えて


「残虐…って、わわわわわ.悪い人!?」

佐久間さんが慌てて………



誠がいたなら、冷静にツッコミを入れていたわよね、きっと。

なんだかんだで、洋館のみんなって仲良しなんじゃない。


「ねぇ、聞いて!
あたし、幸せ見つけたわ!」


みんなのあとを追いかけて歩いていたから、みんなにこっちを向いてほしくて声をあげる。


「しあわせ?」

一番に尋ねてくれたのは佐久間さんだ。


「そうよ、聞きたい?」