誠の家を出て歩く歩道は、なんだか新鮮な感じ。
このメンバーで外出してるなんて、初めてかもしれない。
「あははっ、恋千はわかってないな。
愛琉は本当はいいヤツだよ」
里音が笑いながら話して
「本当はってなんだよ。
ケンカ売ってんのか?」
愛琉さんが文句を言って
「ふうん、俺には愛琉なんて残虐な支配者にしか見えないよ」
恋千くんがそれに答えて
「残虐…って、わわわわわ.悪い人!?」
佐久間さんが慌てて………
誠がいたなら、冷静にツッコミを入れていたわよね、きっと。
なんだかんだで、洋館のみんなって仲良しなんじゃない。
「ねぇ、聞いて!
あたし、幸せ見つけたわ!」
みんなのあとを追いかけて歩いていたから、みんなにこっちを向いてほしくて声をあげる。
「しあわせ?」
一番に尋ねてくれたのは佐久間さんだ。
「そうよ、聞きたい?」


