「誠さん……ごめんなさい、うるさかったわよね?」

きっと、隣がうるさかったから部屋から出てきたのだろう。


悪いことしちゃった。


「はい、確かに騒音でしたね」


やっぱり……。


あたしだけが悪いわけじゃない。

うん、絶対そうよ。


そうだけど、罪悪感から何か話したいのに言葉が出ない。

黙るあたしを横目で見て、本片手になぜかまた部屋に戻ろうとする誠さん。



「あっ、あの」

咄嗟の呼び止めに、こちらを見ずに返された返事は

「掃除するのでしょう?
勝手に入られるのは嫌なので、僕はまだ部屋にいることにします」

掃除をしろ、と促すもので。



「は.はいっ」

慌てて箒とちりとりを握って、部屋へとお邪魔した。



扉を開ければ広がるのは、愛琉さんとは正反対の真っ白な部屋。

汚れもゴミも、家具さえもなさすぎる。


なんだか、寂しい感じ……。