2人の後に続いて、愛琉さんも外に出てくる。


つらそうな表情の誠。

焦っている里音。

イライラ全開の愛琉さん。



「険悪ムード漂わせて、どうしたわけ?」

あたしが口を開くより早く、恋千くんが3人のほうに歩み寄りながら尋ねた。


「ままままま.まさか、ケンカ!?」

体を震えさせて、佐久間さんはあたしにくっ付いたまま。



「ケンカどころの話じゃないんだ。
誠が家に帰るって」

「家?」


里音の言葉に、つい聞き返してしまう。

家って、洋館じゃないの?


「期限が切れたんです。
呼び戻しの連絡が先日来ました」


呼び戻し?

いったいどこから?

どうして?



「呼び戻し…って、強制送還?」

「シノちゃん、いなくなっちゃうの!?」


恋千くんも佐久間さんも、表情から笑みが消えた。


いなくなるって、なんなの?

全然意味がわからないんだけど。



「なぁ誠、本当にそれでいいの」

一生懸命になってる里音に

「………最初から決まっていたことです。
僕には従うしか道がありません」