尋ねられ、またも焦りが。

試験というのが、課外授業のこと。

本試験は…えっと、正式に人間界から戻ってきてからだから


「まだ2ヶ月ほど先です」


そう告げた瞬間、あたしが人間界にいられる期限がもう2ヶ月しかないのだと知った。

この間は、まだ3ヶ月もあると思っていたのに。



「がんばってくださいね。
ローナ様なら、必ずやさらに立派な姫になると信じております」

「ありがとうございます」



……本試験といっても、人間界で見つけた“幸せ”を発表するだけなのだけど。

その試験に合格したら、大々的に姫として認められる儀式が行われるんだって。


だけど、人間界にいて気づいたことがある。

“幸せ”って、人によって違うんじゃないかしら。


あたしは、願いが叶えばそれが“幸せ”だと、そう思ってた。

でも洋館のみんなと過ごしてく中で、願いが叶った時以外にも“幸せ”を感じたことがあるわ。



あたしが当たり前に感じていたことを、“幸せ”と呼ぶ人もいる。


この課題に、本当に答えなんてあるの……?