xxxFORTUNE




それが嬉しくて、飛びつくようにそばに寄る。

だけど相手が浮かべたのは困惑した表情。


「あのさ、すず。
今のはからかっただけなんだけど」

冷ややかな瞳が、あたしを見下ろして。


「ペットが何ねだってんの」

冷ややかな口調で告げられる。


正直、怖いです。



「だって、恋千くんが言ったのよ。
撫でてあげるって」

「真に受けるのも、どうかと思う」


正直、ムカつきました。



「それよりね、そう、この黒猫!
佐久間さんが優しさから逃がしてしまったのよ。
だから、また探していたとこだったの」


ただ、ケンカなんて後回し。

せっかくまた会えたのに、言い争ってたらもったいないわ。


「ふーん、ホタルならやりかねないかも」

「でしょう?」


2人でそんな話をしながら黒猫を撫で続けていると、はっとしたように黒猫が突然遠ざかる。


かと思えば、土手の上に寝そべってこちらの様子を窺っているみたい。