この再会は偶然?
それとも、必然?
サッとすり抜けるように、黒猫は恋千くんの隣へ。
あぁ、もしかしたらこの黒猫が会わせてくれたのかも。
「あれ、こいつ捕まえたはずじゃ……」
体を擦り寄せる黒猫に、恋千くんが不思議そうな顔をする。
でも、黒猫が鳴くと微笑んで
「監獄から抜け出せたんだ。
良かったじゃん」
喉を撫でてあげていた。
やっと見つけられたんだ。
黒猫も、恋千くんも。
見た目に際立って変化はない。
表情も、きっと前と変わってない。
じっと見つめて観察してたから、ふと合ってしまった瞳も
「先輩、ひょっとして猫相手に妬いてる?」
意地悪なところも
「こっち来れば?
撫でてあげるよ」
少しだけ余裕がありそうに笑うところも、全部恋千くんだ。
「えへへっ、じゃあ撫でて!」


