清々しい朝。
一歩外に飛び出せば、どこに立っても晴天。
穏やかな気候の中で、全員が集まった大広間に流れるのは気まずい空気。
いいえ、揃ってるのは全員じゃないわ。
「学校側には見当たらなかった」
「オレは街中回ったけど、手がかりなしかな」
「住宅街にも、それらしき人物はいませんでした」
「ぼくとヒメは留守番してたけど、帰ってこなかったよ?」
そう、恋千くんがまだ見つからない。
家出をしてから、すでに一週間が経過。
どこにいるのか、全く見当がつかないから困る。
「あいつ、ここ出たら行くとこなんかねぇくせに……」
足元に視線を落として、愛琉さんはため息を零した。
みんな、心配してるよ。
なのに、ちっとも恋千くんは現れてくれない。
いったい、どこにいるの?
「オレがちゃんと話聞いてやらなかったせいだ。
拗ねてる恋千に苛ついて……何やってんだ本当」
「別に、里音だけが悪いわけじゃないわ。
あたしも───」