xxxFORTUNE




お出かけは、まずファミレスに。

イチゴパフェに食いつきながら、他愛もない会話。

甘いもので満足したなら、次は雑貨屋さんへ。

洋服屋さんにも行ったし、どこにでも大抵あるらしいコンビニにも行った。


人間界って面白い!

買い物というより、見物みたいだったけど。

それでも里音は文句を言わないでいてくれたし、時々何か買っていたみたい。


街中を抜けて、見慣れた歩道を歩く帰り道。


「ねぇ、なに買ったの?」

袋を指差して問いかける。


「あぁ、これ?
お菓子でも作ろうと思って材料調達したんだ。
すず、甘いの好きだろ」

「え?里音、お菓子作れるの?」

「いつも料理手伝ってやってるのは誰だっけ?」


あぁ、そっか。

そうだった。

いつも里音は、あたしと一緒に料理してくれる。

調味料を間違えそうな時とか、火力の調節とか、そばでやってくれてたわよね。



「じゃあ、あたしは食べる係になるわ!」

大きく一歩前に出て、片手を挙げて立候補。


「うん、よろしく」

お互いに笑い合っていると、向かい側から走ってくる人物が。