お出かけは、まずファミレスに。
イチゴパフェに食いつきながら、他愛もない会話。
甘いもので満足したなら、次は雑貨屋さんへ。
洋服屋さんにも行ったし、どこにでも大抵あるらしいコンビニにも行った。
人間界って面白い!
買い物というより、見物みたいだったけど。
それでも里音は文句を言わないでいてくれたし、時々何か買っていたみたい。
街中を抜けて、見慣れた歩道を歩く帰り道。
「ねぇ、なに買ったの?」
袋を指差して問いかける。
「あぁ、これ?
お菓子でも作ろうと思って材料調達したんだ。
すず、甘いの好きだろ」
「え?里音、お菓子作れるの?」
「いつも料理手伝ってやってるのは誰だっけ?」
あぁ、そっか。
そうだった。
いつも里音は、あたしと一緒に料理してくれる。
調味料を間違えそうな時とか、火力の調節とか、そばでやってくれてたわよね。
「じゃあ、あたしは食べる係になるわ!」
大きく一歩前に出て、片手を挙げて立候補。
「うん、よろしく」
お互いに笑い合っていると、向かい側から走ってくる人物が。


