感じるのは、大きな違和感。
本当なら追いかけていろいろ聞きたいところだけど、今日は時間がない。
出かける準備をしなきゃだし、またあとで機会があったら尋ねることにしよう。
バタバタと足音を鳴らして、洗面所に到着後ブラッシング。
抜け落ちた髪を綺麗に掃除してから、今度はキッチンへ。
朝食の準備をし始めた頃、ようやく1人がダイニングルームにやってきた。
「おはよう、誠」
「……おはようございます」
椅子に座って、本を開いたのが見える。
この間と、本が変わった気がするわ。
前のは、なんかこう漢字っていうのがいっぱいあったけど、今回のはアルファベットっていうのが並んでる。
人間界では国によって言語が違うらしいし、他国の本なのかも。
うーん…難しくてよくわからない。
大きな窓から陽光が差し込み、食器のぶつかる音がする。
鳥のさえずりが、なんとも可愛らしく聞こえた。
「今日はお出かけするから、お部屋の掃除は各自でよろしくね」
出来上がった料理を運びながら、相変わらず本へ視線を落とす誠にお願い。


