xxxFORTUNE




普段なら、成功する確率なんて0に等しい。

2つの魔法を掛け合わせることは、相当高いレベルだから。



龍の如く水が炎を掻き分け、風がふわりと女の子を外に運ぶ。

杖を消して女の子のそばに駆け寄ると、救助の人たちがいる場所を教えてあげた。


「ありがとうお姉ちゃん」

涙を零しながらお礼を言われ、頭を撫でてあげると女の子は人のいる場所へ。


そのうちに、少しずつ炎が弱まり始めて。

あたしも、戻らなきゃ。



「すず、やっと見つけた…!」

と思ったけど、戻る必要はなさそうね。


「何を考えているんですかあなたは。
自ら危ない真似をするのはやめてください」

恋千くんと誠が、ちゃんと見つけに来てくれたし。



「ごめんなさい」

「謝って済む問題じゃないよ!
先輩が死んだらどうしようって」


待って待って、恋千くん大袈裟すぎるわ。

それに、気のせいかもしれないけど涙目?


「とにかく、今日はもう帰りましょう」

ため息をついた誠にまとめられて、頷くしか選択肢がなかった。