咲彩が待っていることに気がついて私は少し小走りになる。


おおきな玄関に着くと、メイドさんの一人が私のことを迎えに来てくれていた。


「美影(ミカゲ)さん。いつもありがとうございます」


この人は、メイドの美影さん。


背の高いお姉さんみたいな感じの人。咲彩の専属のメイドさんなんだって。



「いえ、萌加様。それよりお久しぶりですね」


「はい…」


そんな会話をしながら私と美影さんは咲彩の部屋の前までついた。


―コンコン―

「咲彩様。萌加様です」

その美影さんの言葉とほぼ同時にドアが開いて、咲彩が飛びついてきた。



「いらっしゃい!あ、美影ちゃん、萌加の荷物はここに置いておいて」