ははは、と高らかにお父様は笑いだす。 「萌加は勘がいいなぁ。そういうことだよ」 新菜家の長女はこんなことまでしなきゃいけないんだろうか。 「分かりました」 そう言って、椅子かあ立ち上がろうとする。 「あー、待て待て。まだ話は終わってないんだ」 その言葉とともに私は椅子へ引き戻される。 いや、もう絶対に話は終わったでしょ…。 「あの、さ…佐野コーポレーションにも息子がいるんだ。そこの息子が…お前の学校の同級生だそうだ。 気をつけろよ?」 そう言ってお父様は私にウィンクしてきた。