自分ですることは愚か、やめてくれ、と言うことも、首を振ることもできない。

そもそも意識があることを伝えることも叶わないのだ。


「あさみ、駅前に新しいカフェができたんだよ。
すごくいい雰囲気で、いいコーヒーのにおいがしてた。

あ、パンも売ってて、中で食べられるんだ…、

あさみ、パン好きだよね。
食べたいでしょ?」


わたしは最低だ。

彼をこんなに不幸にしたのはわたしだ。

彼は毎日わたしに語りかける。

彼をこんな目に合わせるわたしは悪魔だ。


今、どんなに後悔したって、心の中でどれだけ泣いたって、何の意味もありはしない。