チャイムを
鳴らすと
玄関のドアが開いて
透が出てきた。

「おはよう」

「取り合えず上がれ」

突っ立っても仕方ない。

「お邪魔します」

何か久しぶりだなぁ。

「今日、お父さんは?」

透ん家に着くと
何時もは挨拶してくれる
親父さんが出てこなかった。

「昨日から出張」

昨日の晩ご飯と
今日の朝ご飯は?

「ご飯どぉしてるの?」

「適当に食ってる」

何食べてるんだか……

「何時までなの?」

「火曜まで」

四日もどうするんだろう?

「そっか
泊まりに来る?」

「飯の心配なら平気だ」

え?

透、料理出来ないのに
大丈夫なのかな?

そんな心配は
二時間後に
解決される事になる。

「そぉだ
何で、電話して来たの?」

目的を訊かなくちゃ。

「一緒に来て欲しい
所があるんだ」

珍しいな。

「何処?」

一瞬後、耳を疑った。

「龍也ん家」

龍也?

龍也って
九重先生!?

透、九重先生の事
名前で呼んでたっけ?

何で??

「九重先生ん家?」

聞き返してみる。

「あぁ」

間違いじゃ
なかったらしい。

「ねぇ透
九重先生の事
名前で呼んでたっけ?」

質問するとはぐらかされた。

「その事は
龍也ん家に
着いてから話す」

「分かった」

今この場で
説明してくれる
気はないらしい。

取り合えず
透と二人で
九重先生ん家に
行く事になった。

「何で九重先生ん家
知ってるの?」

一緒に行くのは
良いけど疑問が
いっぱいだ。

「それも龍也ん家に
着いたら教える」

あくまでも、今は
教えてくれないらしい。

まぁいっか……

「分かった。
所で、九重先生ん家って
何処にあるの?」

「三駅先」

知らなかった。

「案外近いんだね」

「だな」

まさか、そんな近場に
うちの学校の先生が
住んでたなんて
知らなかったなぁ。

僕達は
最寄り駅に
向かって歩きだした。

駅までは
歩いて五分くらい。
家が駅の近くで良かった。

駅に着いて
三駅先までの
切符を買った。

九重先生ん家は
駅から
かなり近かった。

ちょっとビックリ……

歩いて三分。

二階建ての
一軒家があった。

「此処が龍也ん家だ」

「えぇ!?
大きいね……」

二階建てのわりには
結構広そうだと思った。

「俺も初めて来た時思った」