花霞む姫君

大きい声を聞きつけたのが、お母さんとまゆみちゃんが階段を上がってくる音が聞こえた。

「花澄、どした?」

ドアを開けて、そっとまゆみちゃんが覗いた。

「…なんでもない。」

答えると、後ろから

「喧嘩した。今日は帰る。」

と端的な言葉が出て、私の隣を通り過ぎると、さっさと部屋を出て行った。

まゆみちゃんとすれ違う時、
「あいつ、頼む」
と、ボソッと言った。


その次の日から、一週間、雨が降り続くことになる。