私から離れたゆきさんは、私の肩に手を置いて…まっすぐな目で私を見る。





「それなのに…いっつも人気者で…。俺はアサカちゃんが幸せになれるとは思えない。」







「ゆきさん…。じゃあ、どうしてゆきさんは、私に付き合ってって言ったんですか?」






「そりゃあ…アサカちゃんが純粋そうで良い子だなって思ったし。守ってあげたくなっちゃうっていうか…」






「それだけ?」





私の言葉に、ゆきさんは困ったような顔をする。







「どういう意味なの?」






やっぱり、何にも分かってない。





「ゆきさん、私の名前分かりますか?」






「名前?アサカちゃんでしょ?」






「下の名前は?」





「えっアサカ…じゃないの?」





「アサカは、名字です。佑月と言います。」






「ゆ…ずき?」






「はい。浅香佑月です。」





「あっ…ごめん。勘違いしてた…」









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