「おい!!やめろ」
私を無理矢理引っ張ろうとする春川さんの手を、誰かが止める。
「り…碧空さぁん………!」
「誰かと思えば…安仁屋さんじゃないすか!もしかして、この子と本当に知り合い?」
「あぁ。だからその手を離せ」
碧空さんがそう言うと、春川さんはすんなり私から離れてくれた。
「ごめんね。勘違いしちゃって。本当に安仁屋さんの知り合いだったんだ!」
「あ…いえいえ。私も一人でいたので…」
「行くぞ。佑月」
「はい!じゃあ、さようなら。春川さん」
碧空さんが歩き出す後ろを、私はついて行く。
無言のまま歩く碧空さん。
何も言わない背中が…冷たくて。
怖かった。
「り、碧空さん…?私に怒ってますか…?」
_


