―バサバサッ 「おはよう…」 誰に言うでも無く一人呟きベッドから出る。 今日の天気は曇り。 天気同様、気分がどんよりする。 「…………………」 高校3年生になって私は一人暮らしを始めた。 始めたと言うより… 両親が私との別居を望んだからだ。 「傘…必要かな…?」 窓から曇り空を見上げる。雨が降りそう… 傘立てに一本しか刺さっていないビニール傘を持って当てもなく外へ出た。