「ちょっと…
何で同じ傘に入るの?」


そう言って睨みつける私を気にする事なく笑みを浮かべる。


変な人……
突き放しても嫌な顔一つしないなんて…


「俺の事は夏とでも板倉とでも好きに呼んで。で、君は?」


夏は興味津々で私に詰め寄る。


「近い。それに私にも守秘義務があるから」

「守秘義務って…………」



ポカーンとする夏を無視して私は歩き出す。


数歩歩いた時、後ろから盛大な笑い声が聞こえた。


振り返ると夏は近くの木をバシバシ叩きながら爆笑している。