「…という治療ですね。進行は遅いようですが…」 二階から医師と一組の夫婦が下りてきた。 「はい。息子をよろしくお願いします」 夫婦は深々と頭をさげて、 私の隣のソファに腰をかけた。 この人達の息子は病気なの? そう思ってチラっと隣を見たら、 母親の目が誰かに似ている気がした。