優を連れて来た場所は私の部屋。

「お姉ちゃん?」

ぐすっと鼻をすすりながら優が聞いてくる。

そんな優を尻目にしてあたしはおもむろにハサミを取り出した。

「お姉ちゃん!!何する気!?」

流石にハサミにビビったのか優が顔を青くしている。

「黙って見てな」

そう言って優を制すと今まで伸ばしていた髪を優の短さまで切った。

「ほら!こうすれば優と同じ顔♪」
「お姉ちゃん!!?」
「優はコレを被れば…ほら!藍沙になった♪」

あたしは朝買ってきたカツラを優に被せる。

「いつかこうなるかなって思ってたんだよね。カツラは今朝思い付いて買ってきたんだ♪」
「お姉ちゃん…。でもコレって…」
「学校、交換しようよ!!大丈夫!!バレないって♪」
「でも…」
「せっかく顔が同じなんだからこういう時に利用しなきゃ♪これぞ双子の特権だな♪」

優は納得してない顔をしていたが、あたしが強く言うとコクンと頷いた。

優には言ってないけど、ちゃんと守ってやるよ。

優はあたしの片割れなんだから。

待ってろよ!優をイジメた奴ら!