ぶつかったみたいだ。
「すみません.....」

返事が帰ってこないものだから
俺は顔をあげた。




「マイ.......」

そして彼女の現実を突きつけられる。

汚れている靴と少し破れたスカート、
ブラウスは...
違う全身は 濡れていた。

「どうしたんだ?.」

マイは俺の腕を強く握った。

【私、なくなりたい】

たぶん そう言ったんだと思う。
マイの口はそう動いた。
声はやっぱり無かったけど
口はちゃんと動いてた。


俺はマイを抱き寄せた。




その時 彼女の身体は

人形の糸が切れたように

地面に倒れこんだ。

まるで 糸が切れた

操り人形のように。



「マイ―…?マイ?マイ!!!マイ!!!」

近くで遊んでいたらしいナツメが
走ってきた。

「マイって?...え..この子!!」


混乱している俺をほっといて
ナツメは病院に電話した。



「マイ―‐‐。マイ.......」

「ユウリ!!?救急車きたよ。」


救急車に乗せられたマイ。

俺とナツメは後を追った。