声がないのなら





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痛いよ…

痛いよ…


「あんたなんて産まなきゃよかった」

「お母さん?…」


握っていた手を
突き放される。

「アタシはあんたの母親じゃない」

「やだやだやだ」

「あんたに母親はいない
あんたは独り!」

「違う違う違う…
私はお母、さ…んの…」

「うるさいわね-
二度とその声聞きたくない!どいて!」

お母さんがは家から出ていく…



「…お母さーん!一緒にいてよー」

我慢していた涙が
溢れてきた。

「お母さーんお母さーん」


……
………


「お母さん、嫌だよ、、」

「お母さん…」


「ちゃんと言う通りにするから!
…お願い、お母さん……」

泣き崩れた私は床にうつぶせた。

お母さん……
お母さん……


この声が届かないのなら
声など潰れて消えてしまえば
いいと思った。

お母さんは大嫌いだ。
だけど、やっぱ大好き。
怖いけど
好きだから。理由なんてないけど…
大好きだから
お母さんと手を繋いだ時の事を
思いだした。


…お母さん……、

私は声が枯れるまで泣いて
声が消えそうになるまで叫んだ。


お母さん……
お母さん……