「華奈?もうすぐ入学式始まる」

「あっ…うん!!」

あたしたちは体育館へ向かった。
着々と式が進んでいく。

あたしは睡魔に襲われている。

「新入生代表 原渓 星也!!」

そう言われ舞台に上がる男の子。
何か聴いたことのある名前。

「ちょっ!!華奈!あれが星也」

麻佳がわざわざ後ろの席の

あたしに言う。

「今言ってたぢゃん」

「うちの幼なじみだって!!」

「あ〜だから聴いたことあ…る…」
その瞬間舞台に上がった人の

顔がはっきり見えた。

さっきの格好いい人だ…

「ね?格好いいでしょ?」

「うん…」

「本日本校の生徒として…」

文書を読み始める星也。

声も格好いい。

「惚れた?」

「何言ってんの!!」

あたしはこの瞬間から

星也に惚れてたかもしれない。

一目惚れかな?

でもこのときのあたしはまだ

自分の気持ちに気づいてなかった
気づかぬ振りをしてたのかも。

一気に睡魔が消えた。