君がいたから


そう言いたかった
でも、言えるわけない
上総の口から肯定の言葉を聞いてしまえば
それこそ、立ち直れなくなりそうだから

「話、先輩から聞いたよ
 ごめんな、気付けなくて」

その言葉に
上総は黙って首を振った

「青くんの所為じゃないよ」
「ありがと」

上総の言葉に笑顔で言葉を返した

それから、
鞄の中からシートの電子鍵盤を取り出し
それを、近くにあった机の上に広げる

「お見舞いに、歌つくってきたんだ
 きいてくれる?」

弾けるかどうかはわからない
それでも、弾きたいから

「大丈夫なの?」
「多分、ココ俺も通ってる病院だから
 倒れても大丈夫だろうし」

まあ、もうずいぶん来てないけど

そんなことを思いながら
鍵盤と同じ様に楽譜を広げる

大丈夫、今度はきっと・・・

この曲は
先輩に上総の病院を教えてもらって
自分の心の整理がつくまでの三日間
考えて作った曲

上総は、先輩を考えて作った歌詞
先輩は彼女のための曲

だったら俺は、上総のための歌を・・・