「おー、だいぶ綺麗になってきたな。」



十文字先生は感心しながら、教室からみんなの様子を眺めていた。

なんだか十文字先生が嬉しそうに見えるのは、気のせいじゃないな。

きっと久しぶりの登場だからだと思うけど。



「先生方も驚いてたぞ。
槍でも降ってくんじゃないかって
ハッハッハ!」



笑い方が前よりも豪快になってる…。



「せんせーい!
日曜大工とか趣味ですかー?」



校庭から安藤君の声が聞こえてきた。

十文字先生はベランダに出て、



「得意中の得意だー!」



待ってましたと言わんばかりの声で、十文字先生は教室を飛び出していった。


 やっぱり先生だな


先生は生徒に頼って欲しいに決まってる。

イキイキとした先生を見るのは初めてだった。