鳥籠の中の少女

「勝手に言ってれば」



隣でギャンギャン言ってる潤樹は私に口で勝てなくて悔しそう。



昨日の事は何も無かったかのようにいつも通りの会話をする。



「酷いー!」



こんな馬鹿なやり取りをしながら、学校へ向かった。



「緋結、可愛くない!!」



教室に着いてからも、こんな感じで文句を言ってくる。



「煩い」



私はそれだけ言って、鞄に入った物を片付ける。



其処へ誰か来た。



真っ直ぐ、私の下へ来て、一言言う。



「緋結、ちょっと、屋上行かない?」



「愛璃......」



一瞬にして注目の的になる私達。



そりゃそうだ。



今まで、私は誰とも関わって来なかった。



そして、誰も寄りついたりしなかった。



業務的な、『ノート出して』ぐらいはあったけど、言う人はかなり嫌そうにしてたし。



なのに、私に用があると言う。