鳥籠の中の少女

「じゃ、私も」



貰った袋を開けて、リングを取り出した。



「あ、左手の人差し指な」



「何で?」



私は不思議で首を傾げた。



「結婚指輪って左手の薬指だろ?」



「ええ。宗教によって違うけど日本は左手。だけど、薬指は『聖なる誓い』と言う意味があるから」



「だろ?だからだよ」



「意味が分からないわ」



その言葉で観念したように、照れくさそうに言う。



「大人になったら緋結をお嫁にもらいに行くよ。で、幸せにしてやる」



私は多分、今、顔が熟した苺の様に赤いと思う。



唯人は時々、とんでもない事言うんだから!



もう!



恥ずかしいじゃない!!



「良く言えるわね。そんな恥ずかしい事」



「言わせたんだろ。兎に角、そう言う事だから、まだ、薬指にはつけるな」



顔を赤くしながら、プイッと背を向ける。