鳥籠の中の少女

「いらっしゃいませ」



「これ下さい」



そう言いながら、さっきのヘアゴムをカウンターに置く。



それを店員さんが持って、バーコードを当てる。



ピッと機械音を立てながら、レジの表示板に値段が表示された。



「525円です」



私は財布を鞄から取りだし、小銭で525円を出す。



その間に店員さんはヘアゴムを袋に入れてくれる。



終わったのを見計らって、525円を渡した。



「丁度お預かりします」



店員さんはピッピッと機械音を立てながら、慣れた手つきでレシートと袋に入ったヘアゴムを差し出してくれる。



「ありがとうございました」



店員さんは業務的な笑顔と共に業務的なお礼の言葉と頭を少し下げる。



あたしは無言で立ち去って、店の外へと向かった。



外に出ると、再び、キラキラとした太陽が私を照らしてくれる。



その太陽の温かい光を浴びながら唯人を待った。