鳥籠の中の少女

「警備員さんが謝る事じゃありません。此方こそ迷惑をお掛けしてすみません」



唯人はいい子の仮面を被って、申し訳なさそうに言ってる。



心の中ではめんどくせぇとか思ってるくせに。



後で、私に愚痴られそうだわ。



「いえいえ。此処での問題は警備の私達が解決しなければいけませんので」



警備員さんは謙虚に言う。



その後、警備室に行って簡易的に警察の人に事情を説明した。



1時間程して、漸く解放された。



「はあー、漸く解放されたぜ。面倒な事に巻き込まれたよな」



「警備員さんの前ではあんなに謙虚だったのに、いなくなった途端、これ?」



あたしは呆れた顔で唯人を見た。



「だって、俺一応優等生だしー」



其処、自分で言う?



馬鹿じゃないの?



「そうでしたねー」



「おいおい。そんな棒読みで言うなよ。本当だろう?」



「正確には優等生の仮面を被った遊び人でしょ?」



私は意地悪く言った。