鳥籠の中の少女

「はい。分かりました」



ペコリと頭を下げて礼儀正しくしてる。



あたしの前では普段、絶対しないのに。



大人達の前では礼儀正しい優等生君だ。



優等生ぶるのは得意なんだから。



私は呆れていた。



「えーと、お2人のお名前は?」



困ったように躊躇いがちに警備員さんは聞いて来る。



「俺は鹿路 唯人【ロクロ ユイト】です」



「私は銀木 緋結です」



「では、鹿路さんと銀木さん。この伸びている3人と一緒に警備室に来て頂けますか?其処に警察の方に来て頂いて、事情を話して頂きたいのですが」



「「わかりました」」



私達は声を揃えて承諾した。



警備員さんは『では、此方に』と言って、手招きしてくれたから、それについて行った。



「すみませんね。デートの最中でしたでしょうに」



警備員さんは申し訳なさそうにしてる。



正確にはデート前なんだけどね。



行く途中にナンパされたんだから。



でも、仕方ないわね。