鳥籠の中の少女

「大丈夫よ。唯人が助けてくれたじゃない」



「おいおい。お前なー」



「何か事件があったと言うのは本当ですかー!?」



其処へ、警備員さんが走って来る。



「もう大丈夫です。お騒がわせしました」



私はペコリと頭を下げ謝った。



「いえいえ。大丈夫ならいいんですが、話を聞かせてもらえますか?誰かが無理矢理連れて行こうとしたと聞いたのですが」



多分、此処にいた誰かが警備員さんに言いに行ったのだろう。



一応、助けてくれる人もいたのね。



「俺の彼女をナンパした奴がいたんです。それで止めろと言ったら、俺に襲いかかってきたんですけど、俺が倒しました。それで此処に3人伸びてるんですが、もう1人、リーダーらしき人は逃げて行きました」



「そうですか。お2人共無事で何よりです。ですが、彼氏さんの方は危ない事してはいけませんよ」



危ない事と言うのは、暴力を振ったからだろう。



これは正当防衛だけど、中学生の私達の事を心配するのは無理もない。



でも、唯人は何故か、昔から柄の悪い人達に絡まれるから喧嘩は強い。



だから、あれぐらいの人には負けない。