「貴方は答えを出したようね」



今のお母さんの言葉で、全部分かった。



お母さんは知ってるんだ、



あの事件の全てを。



「出したよ。お母さん、その話は誰から聞いたの?」



「緋結ちゃんからよ」



俺は、電気が全身を駆け巡るような衝撃を受けた。



「緋結が話したの?」



「そうよ。貴方の娘さんを殺したのは私の父です。と、言ったわ」



「そ.......そんな.........」



緋結は、何処まで、自分に辛い試練を課すんだ?



もしかしたら、お母さんは、緋結を叩いたんじゃないか?



お母さんは、罵倒したのか?



色々な考えが巡る。



「大丈夫よ。私は何もしてないわ。違うわね。何も出来なかった。あの子はどれだけの思いを持って、私に話したんだろう?って思ってしまったから」



お母さんは、俺の考えを見抜いたように答えた。



「お母さんは、話を聞いて、どう思った?」



「恨みとか憎しみは無かったわ。唯、何で、あの子は辛い道を選ぶんだろう?と思った。あの表情から、どれだけ、重い十字架を背負ってきたかは分かったからね」