ありがとう。



「アタシもひゆりんの恋、応援するよ。辛い思いしたら、アタシの胸にドーンと飛び込めばいいよ」



いきなり、私を後ろから抱き締める、花音は、顔は見えないけど、笑っているようだ。



私は最高の友達に巡り会えた。



「沙良も応援するよ。悲しい結果だったら、一緒に泣くし、嬉しい結果なら、一緒に喜ぶよ」



私の隣に来て、沙良は百合の花の様に綺麗に笑う。



失ったモノも多いけど、得たモノも多い。



「みんながいれば、怖くないわね」



失ったモノは対価。



「当たり前だよ!」



おどけた様に笑う、愛璃は本当は嬉しそう。



何かを得る為の。



「ひゆりんに心配は無用!」



さっきより、強く抱きしめてくる、花音も多分、笑ってる。



得た時は、大切なモノだと気付かないけど、後に大切なモノになる。



「愛璃と花音がいるから、百人力だね。沙良は力になれるか分からないけど」



得るモノも失うモノも選べないけど、得たモノは確かにある。



「沙良も力の源よ」



だから、この先、辛い思いをしても、みんながいるから、私は、自分を見失ったりはしない。